旅で出会った忘れられない味2【モロッコのカスバで】
それは、友人と出かけた2度目のモロッコ旅でのこと。
現地のツアーに入って、世界遺産でもある「アイトベンハッドゥ」という
カスバを見て回りました。
ツアー集団から外れふらりとあちこち覗いて歩いておりました。
そろそろ、集合時間?みんなに追いつこう、と歩いていたところ、
通り過ぎかけた建物の暗がりから何やら音がしました。
振り返ると、女の子が石臼のようなものを動かして作業中でした。
確か写真は断られたのだったと思いますが、何をしているのかな、とジェスチャーで覗き込むと、アーモンドの殻を割っていたのか、私の手に割りたてのアーモンドを乗せてくれました。
私もお礼に小梅ちゃんを差し上げたように思います。
笑顔でわかれ、慌ててバスに戻りながら、
口に含んだ生のアーモンドは、
とにかくみずみずしくってフルーティー!
今まで味わったことのない美味しさなのでした。
それ以来、なんとかもう一度味わいたいものだ、と、アーモンドの種を入手すると植えてみたり、いろいろチャレンジするのですが、未だ、あの味には再会できていません。
旅の思い出の味は、その時の状況や気持ちや様々なものもスパイスとして加わっているのでしょうか?
それでも、また、いつか、あの美味しさを味わってみたいな、と時折思い出すのでした。